IT ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2015.11)
インターネットバンキング不正送金事犯 発生状況(警察庁)
−利用者のリスクマネジメントの重要性!−
□ この度、警察庁より「平成27年度上半期 インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況」について、発表がありました。概要は次の通りです。
□ 発生状況
(1)発生件数及び被害額 発生件数合計は754件で、被害額は約15億5千万、実被害額は約13億8千万円となっています。ここで、「被害額」とは犯人が送金処理を行った金額のことであり、「実被害額」とは被害額から金融機関が不正送金を阻止した額を差し引いた金額のことです。
(2)金融機関毎の被害状況 次の通りです。
都銀等 11行 約7億4千万円
地銀 34行 約2億4千万円
信金・信組 82金庫組合 約5億3千万円
農協・労金 17組合金庫 約3千万円
□ 特 徴
信金・信組、農協・労金に被害が拡大しており、特に、信用金庫の法人口座の被害が急増しています。また、不正送金先口座は中国人名義のものが、全被害の50%を占めています。
□ 今後の取り組み
検挙された数は、口座売買等の関連事件58件で88人に過ぎません。警察庁では、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)や外国捜査機関との連携強化やウィルス無害化措置による被害拡大防止対策の実施等の対策案を掲げていますが、内容が希薄で抜本的な解決方法を提示できていない状況です。
利用者のリスクマネジメントとインターネット利用に関する正しい理解が重要と思われます。
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