IT ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2016.12)
改正 資金決済法!
−仮想通貨に対する国内初の規制!!−
□ この度、ビットコインなどの仮想通貨について国内で初めての規制となる改正資金決済法が可決成立しました(2016年5月25日)。今回の法整備により、我が国でも金融業界を中心にFinTec(フィンテック)の拡大が図られることになります。
今回は、資金決済法の改正の背景、規制の方向性、及び、主な改正点について説明します。
□ 改正の背景
現在、仮想通貨の利用はグローバルに拡大しており、米国では、Bitcoinの時価総額は約80億ドル超(2016年5月末時点)となり、取引件数も約20万件強(/日)となっています。また、債権、証券の電子化や迅速な決済が可能な新仮想通貨も流通し始めています。我が国でも、国内Bitcoin市場の取引規模は約1,800億円強となっており、メガバンクによる仮想通貨事業への本格参入も発表されています(ex:三菱東京UFJ銀行「MUFGコイン」2017年より開始予定)。
一方、2014年にBitcoin最大の交換所であるMTGOX社が経営破綻し、顧客保護やマネーロンダリング対策上、仮想通貨に関する規制の必要性が求められていたことから、今回の改正が行なわれました。
□ 仮想通貨に関する規制の方向性と主な改正点
仮想通貨とは、換金できる媒介物又は値(数量)をデジタル化し使用されるすべてのデジタル情報(unit)のことです。資金規正法は、2010(平成22)年に施行された法律であり、元々、前払式支払手段(ex:プリカ)、少額資金移動、及び、銀行間の資金決済に関する法律です。仮想通貨の取引は、私設交換所にみられるように投資性があり、レバレッジが効く金融取引が行われていることから、金融商品取引法、又は、新法で規制することが、利用者保護の観点からは望ましいとも言えます。しかし、送金及び決済手段としての性格に着目すると、資金決済のインフラ整備と情報報通信技術進展への対応のための特別法として制定された資金決済法は、マネー・ロンダリング対策に係る法律等との関連法令との整合性、親和性が高いことから、本法の“一部改正”という形で行われました(法§1)。
□ 主な改正点は次のとおりです。
@仮想通貨の定義に関して包括基準の採用
A税制(消費税)との関係では非課税化
B登録規制の対象となる仮想通貨交換業の定義明記
C登録制の導入
D業務に関する規定の整備
E監督規定の整備
F認定資金決済事業者協会の認定
※参考 金融庁
@ http://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kaisya/05.pdf
A http://www.fsa.go.jp/common/about/pamphlet/shin-kessai.pdf
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