IT ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2018.08)

放送法改正の動向と影響

−TV放送がネットで同時配信!

□ 総務省は、2019年頃までに、放送法を改正する見込みです。これによって、テレビとインターネットで同時に番組を配信できるようになります。例えば、テレビの放送波が届かないような地域にいても、インターネット接続環境があれば、視聴者はリアルタイムでテレビを見ることが可能となります。

□ 背 景
 若者のテレビ離れが大きな要因です。現在、若者のスマフォ普及率は、9割を超えている一方で、テレビの保有率は9割にも満たない状況です。趣味の多様化が進む昨今、若い世代のニーズに応えるためには、速報性のあるインターネットを使ったコンテンツ配信の必要性が高まっています。

□ 問題点
 テレビとインターネットでは媒体が異なるため、著作権の適用範囲が異なります。また、インターネットでのリアルタイム配信が可能となると、NHKも対象となるため、受信料が発生することになります。因みに、NHKの受信料は、当初の予定では 1,260円/月額 と設定されており、現在、行われているオンデマンド配信と比較して、かなり割高です。

□ とはいえ、放送法改正によるネット配信は、これまで、一部の放送局だけの利権であったものが、地方局や個人でも全国放送ができるようになり、競争原理を生むことになります。また、視聴率によるスポンサーの意向による情報発信から、より透明性、公平性の高い番組が制作される可能性が高くなると言えます。

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