LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2022.10)

連載「インターネットを使った販売促進活動」

−2.各論「(2)マーケティング:AWEBマーケティング」

□ 情報技術の進歩は我々の働き方を大きく変えています。一方、新型コロナウィルス感染症の影響により、人々の日常生活の在り方も大きく変化しています。この世界で生き残れる生物は、強い者でも賢い者でもありません。変化に適応できる生物が次の時代を担っていくことになります(Charles Darwin / Peter Ferdinand Drucker)。
 新時代を切り開くための“成功する事業計画”を策定するために、本稿では、IoTの視点から企業の販売促進活動について解説を致します。

□ WEBマーケティングとは
(1)WEBマーケティングとは、企業における販売活動をオンライン上で行うことを言います。WEBサイト消費者を集客し、サイト上に掲載された商品・サービスの購入を促す活動です。
(2)WEBマーケティングと混同されやすい概念がデジタルマーケティングです。両方とも、技術的な中心がインターネットであり、WEB上の施策です。しかし、マーケティングの対象として扱う範囲が異なります。
 WEBマーケティングはWEBサイトを軸に考える閉じたマーケティングであり、デジタルマーケティングはデジタルで得られる全てのデータやタッチポイントを活用するマーケティングのことです。

□ WEBマーケティングの始まりは1990年頃と言われています。
(1)1994年にAT&T(アメリカ最大の電話会社)がオンライン雑誌にバナー広告を掲載しました。当時のポータルサイトの検索エンジンは「ディレクトリー型」と呼ばれ、サイト運営者が自身で登録しなければ検索結果に表示されなかったからです。
(2)現在のクロ―リング、すなわち、「ロボット型」の検索エンジンを開発したのは、1998年のGoogleです。これによって、検索結果の上位に表示されるようにサイトのチューニングを行うSEO(=Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策が発展しました。
(3)その後、2002年より、GoogleやYahoo!は検索キーワードと関連する商品・サービスを検索結果に表示させ、そのページを広告枠として提供しました。これをリスティング(:検索連動型広告)と言います。
(4)そして、2007年にスマートフォン(iPhone)、同時期にSNS(Twitter、Facebook)が登場したことにより、個人のBlogやメルマガ(=Mail Magagin)などの個人メディアに、AMAZONや楽天市場などが広告を出す、アフィリエイト広告が出現しました。

□ WEBマーケティングの手法
 代表的な集客施策は次のとおりです。
(1)SEO(:検索エンジン最適化):ユーザーが自社商品・サービスに関連するキーワードをポータルサイトで検索すると、検索結果の上位に表示されるように、自社のWEBサイトのチューニングをします。
(2)リスティング広告:ポータルサイトの検索エンジンの検索結果画面に表示される広告枠に広告を掲載します。なお、広告料金はキーワード単位でオークション形式の入札が行われます。入札額が大きい程、掲載順位もランクアップします。
(3)アフィリエイト広告:個人のBlogやメルマガに広告を掲載してもらい、自社サイトに誘導します。アフィリエイト広告の多くは成果報酬型の課金方式ですから、ユーザーがアクションを起こした場合に料金が発生します。
(4)アドネットワーク広告:複数のWEB媒体に広告を配信するサービスです。上記((1)〜(3))のように、効果の高いサイトを調査し、個々のWEBサイトに広告を掲載するには媒体管理といった手間がかかりますが、アドネットワークではこれらのストレスから解放されます。
(5)SNS広告:SNS(Twitter、Facebook)に広告を掲載します。ターゲッティング(地域、年齢、興味などの属性)によりセグメントされたユーザーへ広告配信することが可能です。
(6)リターゲティング広告(追跡型広告):ユーザーが過去に閲覧したWEBページから、後を追いかけるように関連広告を何度も表示します。

□ WEBマーケティングの効果測定(改善施策)
 「直帰率、回遊率」と共に重要なのが「コンバージョン(転換)率」です。ビジターがWEBサイト運営者にとって「期待通りの行動」をしてくれたかどうかをチェックし、常に改善努力を行います。
(1)LPO(=Landing Page Optimization):ビジターが自社サイトに辿り着いた最初のページ(:ランディングページ)を最適化することです。すなわち、ページのCVR(:Conversion Rate:成約率)を向上させることです。アクセス解析によって直帰率が高いことが判明した場合は改善します。
(2)EFO(=Entry Form Optimization):コンバージョンを向上させるためには、エントリーフォームに入力して貰わなければなりません。そこで、短時間で正確に入力が完了できるようにエントリーフォームの最適化を行います。


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