LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2023.10)

Amazon生成AI

−生成系AIアプリケーション開発基盤

□ 米Amazon.com(:アマゾン・ドット・コム)は、傘下のAWS(=Amazon Web Services:アマゾン・ウェブ・サービス)を通じて生成AIサービスを提供すると発表しました(米国時間2023年4月13日)。LLM(=Large Language Models:AWS独自の大規模言語モデル)を提供するほか、API(:アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で他社のLLMを利用可能にするサービスも開始します。

□ Amazon 生成AI(:Generative AI)とは
(1)Amazonの独自LLMであるAmazon Titanは2つのモデルから成る。@ 1つはテキスト生成や要約などのタスクを得意とする「Titan Text」、Aもう1つは入力したテキストの意味を数値変換し、検索などのパーソナライズなどに向く「Titan Embeddings」です。いずれもデータ中の有害なコンテンツを検知して削除したり、ユーザーが入力した不適切なコンテンツを拒否したりするようフィルタリングされています。
 TitanなどのLLMをAPI経由で利用できるようにするサービス「Amazon Bedrock」も発表しました。AI21 Labsが提供する「Jurassic-2(イスラエル)」、「Claude(米Anthropic)」、そして、「Stable Diffusion(英Stability AIの画像生成AI)」を選択することができます。
(2)深層学習トレーニング用アクセラレーター「AWS Trainium」を搭載した「Amazon EC2 Trn1nインスタンス」と、推論用アクセラレーター「AWS Inferentia2」を搭載した「Amazon EC2 Inf2インスタンス」の一般提供も合わせて発表されました。基盤モデルと専用チップをAWSが提供することで、ユーザーは自社データと連携させればファインチューニング済みのモデルを構築することができます。
(3)これらの新サービスに合わせ、開発者のコード生成を補助するサービス「Amazon CodeWhisperer」の一般提供も開始されました。AWSの個人ユーザーには無料で提供されます。

□ AWSの有用性について
 AWSの副社長であるSwami Sivasubramanian氏は、AWSサミット2023(2023年7月26日)において、企業が生成AIの可能性を最大限に活用するためにAWSが提供するサービスの有用性について、次のように説明しています。
(1)Amazon Bedrockはフルマネージドサービスであり、Amazonや主要なAIスタートアップ企業の基盤モデル(FM)を、APIを通じて利用できるようにし、ビジネスニーズに最適なモデルを選択することができる。
(2)データのプライバシーとセキュリティは最も重要な要素であり、組織がデータを使用してFMを非公開でカスタマイズすることができる。
(3)AmazonのインフラやAPIが計算の複雑さを引き受けるため、企業は生成AIの効果的な活用に集中することができる。
(4)Amazonの専用アクセラレータであるAWS TitaniumとAWS Inferentia2は、学習と推論タスクにコスト効率の高いオプションを提供する。

□ AIは、従来のMLモデル(単純な入力から単純な出力)から始まり、ディープラーニングモデル(複雑な入力から単純な出力)へと進化してきました。そして、現在、複雑な入力から複雑な出力を生成する段階へ発展しています。


<リモートワーク・WEB会議システム導入支援サービス>
→ LEGAL NETでは、リモートワーク、WEB会議システムの導入支援、及び、ポリシー策定のサポートをしております。お気軽にお問い合わせ下さい。