LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2023.11)

マイクロソフト対話型AI

−Microsoft 365 Copilot

□ 米マイクロソフトは、「Microsoft 365」に対話型の人工知能(AI)を組み込んだ「Microsoft 365 Copilot」を発表しました(2023年3月17日)。同社が出資する米OpenAIの新しいAI基盤技術「GPT-4(=Generative Pre-trained Transformer-4)などを活用して、対話型AI「Copilot(:コパイロット)」を開発しました。
 Copilotは「副操縦士」を意味し、作業の全てをAIが代行するのではなく、ユーザーの作業を”支援する機能”であることを表しています。

□ Copilotは今後数カ月のうちに全てアプリに搭載される予定とのことです。Microsoft 365を構成するWord、Excel、PowerPointなどに搭載されると、次のような機能を使うことが可能となります。
(1)OpenAIのGPT-4技術を活用したCopilotを組み込んだ「Excel」では、自然言語で指示をしてデータ分析や要約などの作業をさせることができるようになります。
(2)「Teams」では、Copilotがチャットの内容から会議を要約して議事録やメモを自動生成したり、作業すべき点を提案してくれます。
(3)「Outlook」では、Copilotに簡単な指示を出すだけで、メールの文面の原案を作成してくれます。
(4)なお、リニューアルして提供を開始した検索エンジン「Bing」は、従来のWeb情報検索アルゴリズムと、OpenAIによる最新のGPT-4を統合した「Prometheus」(プロメテウス)技術をベースにし、グーグルの検索エンジンのように入力したキーワードに合わせてWebサイトを探し出すだけでなく、利用者が目的としている情報の要約や、対話を通じた情報の深掘りといったAIによる検索支援に重きを置いています。
 新しいBingは、同社のWebブラウザー「Edge」からアクセスできるほか、Windows 11の検索窓からも利用できます。また、スマートフォンやタブレット向けに提供されている「Bing」や「Skype」のアプリでも利用可能です。

□ 他のクラウドサービスでは、ユーザーが入力したデータを学習モデルに利用することでサービス内容を改良するものが一般的です。しかし、Microsoft AIのサービスはデータを保持するのは利用者で、サービスの利用に際してクラウドに蓄積したデータはAIの学習データのチューニングに活用しないと宣言しています。
 マイクロソフト社は「責任あるAI」の基本原則に基づき、信頼性の強化やプライバシー保護に取り組んでいくとしています。


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