LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2024.03)
連載「ネットワーク管理」
−1.総論「ネットワーク管理とは何か」
□ 現代社会における企業活動において、電気や水道等の社内インフラと同様に重要な設備がネットワーク環境です。我が国では、IT人材が不足しており、OECD諸国と比較してもICT利用頻度は極めて低い結果となっております(PISA2022調査結果)。
ネットワーク管理は、人々が円滑にネットワークを使用し仕事ができるようにする役割があり、また、企業の営業停止や営業機会の損失を防止する役割をも担っています。
以下、ネットワーク管理について解説いたします。
□ 意 義
ネットワーク管理とは、企業活動を円滑に行うためにネットワーク上に存在する機器情報や関連サービスの構成情報を管理し、安定的な運用を目指してリアルタイムで把握することです。
ここで、「構成情報」とは、IPアドレス、ポート接続情報、回線情報などのことです。すなわち、ネットワーク管理には、需要増減に対応するプロビジョニング、ネットワーク周りの構成把握、セキュリティ対策、障害時に備えた監視が含まれます。
ネットワーク管理は、ネットワーク面での社内インフラ構築に関わる業務の一つであり、ネットワークの稼働状況や設備などを管理し、ネットワークを使用する業務が円滑に進められる環境を維持する業務のことです。
□ 必要性
ネットワークにトラブルが発生すると、ネットが遅い、繋がらない、メールの送受信ができないなどといった事態が発生します。このような事態が発生すると、通常業務に支障が出るだけでなく、連絡手段にも影響が生じ、本来獲得できるはずだった営業機会の損失にも繋がります。また、ずさんな管理体制により、顧客情報が漏洩し、社内情報が外部に流出した場合は、多額の損害賠償請求を受けることになります。
ネットワーク管理者は、インシデントを未然に防止し、また、トラブル発生の影響を最小限に抑えるように、日々、努めなければなりません。
□ 業務内容
(1)トラブルへの対応 トラブル回避のため、ネットワーク接続用の機器(ルーター、ハブ、PC、タブレット)やOS・ソフトウェアのアップデートを行ない、最新の状態を保てるよう管理します。また、不具合が起きていないか定期的に調査し、さらに、トラブル発生に備え、データの管理やバックアップといったリスク管理を行います。
(2)セキュリティ管理 ウイルス感染、不正アクセス、及び、情報漏洩などの危険に備え、ネットワークのパスワードやアクセス権限等の重要な情報を管理します。
(3)設備・施設管理 電源やケーブルなどの備品管理をはじめ、ネットワーク機器の交換や更新などを行ないます。また、機器やソフトウェアの大規模な更新・交換が必要な場合は、ネットワークの管理履歴を元にネットワーク設計や構築のサポートを行ないます。
設備・施設の管理は、社内ネットワークの稼働レベルを維持し、業務に耐えうる性能を保つために必要です。
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