LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2024.07)

連載「ネットワーク管理」

−2.各論(4)「外部委託上の注意点」

□ 現代社会における企業活動において、電気や水道等の社内インフラと同様に重要な設備がネットワーク環境です。我が国では、IT人材が不足しており、OECD諸国と比較してもICT利用頻度は極めて低い結果となっております(PISA2022調査結果)。
 ネットワーク管理は、人々が円滑にネットワークを使用し仕事ができるようにする役割があり、また、企業の営業停止や営業機会の損失を防止する役割をも担っています。
 前回に続いて、今回は外部委託(アウトソーシング)上の注意点について解説いたします。

□ ネットワーク管理に関するストレスは、現在、多くの企業が直面している問題です。新たに人材を採用し、又は、社内で管理者を育成するにも時間とコストがかかります。業務の全部又は一部を外部委託(アウトソーシング)することで、業務を効率化し、業務内容を可視化することが可能となります。その際、次の点に注意しましょう。
(1)委託業務内容の明確化   ネットワーク管理業務の範囲には幅があります。一般的に、エンジニアの職種は、@ネットワーク、Aシステム、Bカスタマーの3つに分類されています。自社の課題をしっかりと把握して、外部に委託する業務はネットワーク管理業務のどの部分であるかを明確にしておく必要があります。優秀な委託先を見つけられてもコミュニケーション・ロスが発生し、良い結果につながるとは限りません。
(2)契約内容(サポート体制)のチェック   外部委託契約は、一般的に、請負契約(民法632条)か委任契約(民法643条)を締結します。契約内容によって、仕事の完成義務の有無や従業員への指揮命令権の所在がことなります。自社の情報管理者の能力を把握した上で、どの程度の範囲をサポートして欲しいかを考えて、サポート体制を確認しておかないと、契約後のミスマッチ発生します。
(3)コスト面の把握   委託費用は、受任者の能力や委託する範囲によって異なります。委託可能な範囲と期待できる効果から、費用が見合っているかを検討しましょう。もとより、事前に予算を決めたうえで、複数のサービスから見積もりを取り、検討すべきです。


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