LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2024.09)

連載「ネットワーク管理」

−2.各論(5)「ネットワーク管理者の主な業務」

□ 現代社会における企業活動において、電気や水道等の社内インフラと同様に重要な設備がネットワーク環境です。我が国では、IT人材が不足しており、OECD諸国と比較してもICT利用頻度は極めて低い結果となっております(PISA2022調査結果)。
 ネットワーク管理は、人々が円滑にネットワークを使用し仕事ができるようにする役割があり、また、企業の営業停止や営業機会の損失を防止する役割をも担っています。
 これまで、「ネットワーク管理とは何か」について説明をしましたが、今回は、ネットワーク管理を行う「ネットワーク管理者が行う業務」について解説いたします。

□ 一般的に、ネットワーク管理者は情報システム部門に所属して、ネットワークやネットワークに接続している端末機器(PC、スマートフォン等)や周辺機器(ルーター、モニター、プリンター等)のトラブルを予防し、また、インシデントが発生した場合の処置を行うのが仕事です。中小企業では、1人に業務を任せていたり(属人化)、他の仕事と兼務をしていたり、といった状況が多くみられますが、極めて危険であると言えます。
 主な業務は次のとおりです。
 @ 社内におけるITシステムの現状把握
 A OSやソフトウェアは常に最新の状態にする
 B 個人でソフトウェアのインストールやアップデートをさせない
 C 私物端末の業務利用(BYOD)の禁止
 D 端末ごとのセキュリティ対策
 E ウィルス対策ソフトを設定する
 F パスワードを強化する
 G データの管理とバックアップ
 H 社内のリテラシー教育

□ 情報技術の発達は業務の効率を向上させ、人々の社会生活を豊かにしています。しかし、一方で、情報漏洩、サイバー攻撃、誹謗中傷、及び、詐欺等、多くのトラブルが発生するリスクも高まっています。
 現代社会において、ネットワークの安全な利用を支えるのがネットワーク管理者であり、大きな役割を担っているといえます。

※参考資料:IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」


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