LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2025.04)
生成AIの影響
−2.生成AIとは何か?
□ 生成AIの登場は、ビジネスや社会に大きな影響を与えます。また、情報格差が増々拡大し、知らないうちに、AIに使われる人と、それを使いこなし革命的な進化を遂げる人に二分化されます。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「IMD世界デジタル競争力ランキング2024」で、日本は67カ国中31位となっており、ITリテラシーの欠如によるDX化の遅れが国家的課題となっています。
そこで、回を分けて、特に生成AIを中心に、ITがもたらす、「経済効果」、「労働市場」、「社会的課題」、「知的財産権侵害」、「データプライバシーの懸念」、「セキュリティの脆弱性」等について、解説します。
今回は、「生成AIとは何か?」について解説します。
□ 生成AIとは
生成AIは、generative artificial intelligence の略です。大量のデータから学習し、新しいコンテンツを生成する人工知能です。文章、画像、動画、音声、プログラムコード等、様々な形式のコンテンツを自動で生成することができます。
従来のAIは、識別系AIと呼ばれ、人が与えたデータを事前に学習し、その範疇で判断していたのに対し、生成AIは自らが獲得した学習成果から新たにコンテンツを創造します。
□ 生成AIの特徴
(1)仕組み ディープラーニング(深層学習)という機械学習の一手法を用いています。ここで、ディープラーニング(深層学習)とは、人間の脳の神経回路を模したニューラルネットワークを用いて学習する技術です。大量のデータから自動的に特徴を抽出し、複雑なパターンを学習することができます。まさに、人間の認識過程と同じ過程で正解を導き出します。
したがって、既存のデータからパターンや関連性を学習し、新しいコンテンツを生成することができるのです。
(2)活用例 大別すると、画像認識、自然言語処理、音声認識、最適化、データの分析・予測等です。
(3)メリット
@ コストの削減 自動化により、自社での人手不足への対応が可能になり、業務の効率化を実現します。
A 生産性の向上 コードの自動生成、AIでの画像生成やデータ解析などの複雑なタスクを迅速にこなすことが可能です。
B パーソナライズ 個々のニーズに基づいて、カスタマイズされたコンテンツやサービスを提供します。
C 意思決定支援 大量のデータ処理や分析が短時間で可能な生成AIは、トレンドやデータのパターンを見つけ出す能力があるため、より良い意思決定をサポートします。
(4)デメリット
@ AI ハルシネーション トレーニングが不十分な場合、誤った結果がアウトプットに出される可能性があります。
A AI バイアス アルゴリズムバイアス、ML(機械学習)バイアスとも呼ばれ、場合によっては差別的な表現や偏った結果を含む可能性があり、トピックによっては公平性とバイアスが生じることがあります。
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