TAX ライブラリー(2014.03)

2014年公示価格(国土交通省発表)

−三大都市圏(全用途)6年ぶりに地価上昇!−

□ この度、国土交通省より2014年1月1日時点の公示価格が発表されました(2014年3月18日)。
公示価格は、基準地価(都道府県)や路線価(国税庁)とともに土地取引の目安となるもので、全国2万3,830地点(前年比1割減)の1平方メートルあたりの価格を示しています。住宅地や商業地、工業地などの区分があり、各地の不動産鑑定士が土地を更地の状態とみなして評価し、国土交通省の土地鑑定委員会が価格を判定します。

□ 公示地価は、2007年に全国平均(全用途)が16年ぶりに上昇しましたが、2008年秋の世界同時不況(リーマンショック)による景気悪化の影響を受け、6年間連続(2009年から2014年にかけて)で前年を下回っています。下落率をみると、4年連続で縮小し、2009年以降でみると、最も小さい下落率になっています。
また、三大都市圏では、全国の調査地点(2万3,830)のうち、過半数の地点で6年ぶりに上昇に転じています。デフレ脱却を目指す安倍政権の金融緩和政策や景気回復策により、低金利の下、不動産投資や住宅取得の需要が高まっていることや、昨年9月に2020年東京オリンピック開催決定を契機に、開催地周辺地域は再開発が進むとの期待が背景にあるとみられています。例えば、マンション用地として需要が高まっている中央区勝どき駅周辺は約11%も上昇しています。
しかし、地方圏は下落地点が76.1%となっており、二極化が進んでいます。
(1)全国平均(全用途)では、前年比で0.6%の下落(住宅地 0.6%下落、商業地 0.5%下落)となっており、前年(1.8%下落)より下落率は縮小しています。
(2)三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、全用途 で0.7%上昇となっており、前年(0.6%下落)より大幅に回復しています。
また、地価が上昇した地点の割合は51.3%(前年 11.5%)に拡大しています。これは全国の上昇地点の約75%を占めています。
(3)地方圏でも、全用途で 1.7%下落となっており、前年(2.8%下落)より縮小しています。また、住宅地は、上昇地点が1,306地点と、前年 (508地点)より増加しています。なかでも、東日本大震災で被災した宮城県などの住宅地では、2.5%上昇となっており、全国で最も高い伸びとなっています。同県石巻市では3年連続で上昇率全国1位の15.1%でした。

□ 地価が最も高い地点は、中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店)で、次いで、千代田区丸の内2-4-1(丸の内ビルディング)となっています。

<2014年分 公示地価変動率 (前年比)>
  全 国 三大都市圏 地方圏
全用途 ▲ 0.6%
(▲ 1.8%)
0.7%
(▲ 0.6%)
▲ 1.7%
(▲ 2.8%)
住宅地 ▲ 0.6%
(▲ 1.6%)
0.5%
(▲ 0.6%)
▲ 1.5%
(▲ 2.5%)
商業地 ▲ 0.5%
(▲ 2.1%)
1.6%
(▲ 0.5%)
▲ 2.1%
(▲ 3.3%)
<三大都市圏 内訳 (前年比)>
  東京都 東京圏 大阪圏 名古屋圏
全用途 1.7%
(▲ 0.3%)
0.9%
(▲ 0.6%)
0.2%
(▲ 0.9%)
1.2%
(▲ 0.1%)
住宅地 1.4%
(▲ 0.3%)
0.7%
(▲ 0.7%)
▲ 0.1%
(▲ 0.9%)
1.1%
(0.0%)
商業地 2.3%
(▲ 0.4%)
1.7%
(▲ 0.5%)
1.4%
(▲ 0.5%)
1.8%
(▲ 0.3%)