TAX ライブラリー(2014.06)

消費税の転嫁状況

−企業の約80%が価格転嫁!(経済産業省発表)−

1.この度、経済産業省は「消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング調査結果(有効回答数3,898社)」を発表しました(本年4月11日〜17日までの1週間)。これによると、BtoB(事業者間)取引では、79.4%、BtoC(消費者向け)取引では72.1%の事業者が「全て転嫁できている」との回答でした。他方、「全く転嫁できていない」と回答した事業者は、BtoB、BtoC取引ともに3.7%となっています。内訳をみると、従業員数5人以下の事業所の事業者間取引で6.8%、BtoC(消費者向け)取引で8.0%となっており、零細事業者ほど価格に転嫁できていません。

2.価格転嫁できた理由
(1) BtoB(事業者間)取引では、「以前より消費税への理解が定着しているため」と回答した事業者が64.8%、次いで「本体価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなった」と回答した事業者が26.8%となっています。
(2) BtoC(消費者向け)取引では、「消費者において消費税率引上げの意義等への理解が浸透した」と回答した事業者が53.7%、「本体価格と消費税額を分けることで値上げへの反発が和らいだ」と回答した事業者が38.1%となっています。

3.価格転嫁ができない理由
(1) BtoB(事業者間)取引では、「競争が激しく価格引上げによって他社に取引を奪われるおそれがあるため」と回答した事業者が62.8%、次いで「取引先との力関係で立場が弱かったため」と回答した事業者が21.3%、「取引先の業界の景気が悪く値上げを受け入れる余裕がなかったため」と回答した事業者が20.6%となっています。
(2) BtoC(消費者向け)取引では、「競争が激しく価格引上げによって他社製品に乗り換えられてしまうおそれがある」と回答した事業者が61.3%、次いで「景気が回復しておらず消費者の財布のひもが固いため」と回答した事業者が32.5%となっています。なお、実際に「転嫁拒否行為を受けた」と回答した事業者61社の内、「減額」とした事業者が55.7%、次いで「本体価格での交渉拒否」が31.1%となっています。

※経済産業省 モニタリング調査「消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング調査の結果について(平成26年4月)」 の詳細はこちらです。