TAX ライブラリー(2015.03)
2015年公示価格(国土交通省発表)
−三大都市圏(全用途)2年連続上昇! 地方圏23年連続下落!−
□ この度、国土交通省より2015年1月1日時点の公示価格が発表されました(2014年3月18日)。
公示価格は、基準地価(都道府県)や路線価(国税庁)とともに土地取引の目安となるもので、全国2万3,380地点(内、避難指示区域内の17地点では調査を休止)の1平方メートルあたりの価格を示しています。住宅地や商業地、工業地などの区分があり、各地の不動産鑑定士が土地を更地の状態とみなして評価し、国土交通省の土地鑑定委員会が価格を判定します。
□ 公示地価は、7年間連続(2009年から2015年にかけて)で前年を下回っています。下落率をみると、5年連続で縮小しています。また、全国の商業地が7年ぶりにマイナス圏を脱し下げ止まりました。都市部を中心に、地価が押し上げられ回復の兆しが見えています。これは、大規模な金融緩和を受け、不動産取引が活発になったことや、円安による海外マネーの流入などが背景にあるとみられています。ただし、地方については下落が続いており、二極化が進んでいます。
(1)全国平均(全用途)では、前年比で0.3%の下落(住宅地 0.4%下落、商業地 0.0%)となっており、前年(0.6%下落)より下落率は縮小しています。
(2)三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、全用途 で0.7%の上昇(住宅地 0.4%上昇、商業地 1.8%上昇)となっており、前年(0.7%上昇)と同様です。
(3)地方圏では、全用途で 1.2%下落(住宅地 1.1%下落、商業地 1.4%下落)となっており、前年(1.7%下落)より下落率は縮小しています。全国で最も高い伸びとなっているのが、北陸新幹線の開業で再開発が進む金沢で17.1%の上昇でした。
全 国 | 三大都市圏 | 地方圏 | |
---|---|---|---|
全用途 | ▲ 0.3% (▲ 0.6%) |
0.7% (0.7%) |
▲ 1.2% (▲ 1.7%) |
住宅地 | ▲ 0.4% (▲ 0.6%) |
0.4% (0.5%) |
▲ 1.1% (▲ 1.5%) |
商業地 | 0.0% (▲ 0.5%) |
1.8% (1.6%) |
▲ 1.4% (▲ 2.1%) |
東京圏 | 大阪圏 | 名古屋圏 | |
---|---|---|---|
全用途 | 0.9% (0.9%) |
0.3% (0.2%) |
0.9% (1.2%) |
住宅地 | 0.5% (0.7%) |
0.0% (▲ 0.1%) |
0.8% (1.1%) |
商業地 | 2.0% (1.7%) |
1.5% (1.4%) |
1.4% (1.8%) |
□ 地価が最も高い地点は、9年連続で、中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店)、次いで、千代田区丸の内2-4-1(丸の内ビルディング)となっています。
<全国都道府県地価ランキング>
順位 都道府県 1平方mあたり 坪単価 前年比
1位 東京都 87.6万円 /m2 289.5万円 /坪単価 +4.81%
2位 大阪府 23.8万円 /m2 78.7万円 /坪単価 +2.66%
3位 神奈川 23.6万円 /m2 78.1万円 /坪単価 +1.49%
4位 京都府 19.0万円 /m2 62.8万円 /坪単価 +1.04%
5位 愛知県 15.4万円 /m2 50.8万円 /坪単価 +3.20%
* 日本全国地価平均 59.2万円 /坪単価
<全国坪単価ランキング(平均)>
1位 東京都中央区 1981.9万円 /坪
2位 東京都千代田区 1787.5万円 /坪
3位 東京都港区 962.2万円 /坪
4位 東京都渋谷区 943.9万円 /坪
5位 東京都新宿区 861.0万円 /坪
<全国地価騰落率ランキング(前年比)>
1位 東京都中央区 +9.66%
2位 愛知県中村区 +9.63%
3位 大分県中津市 +7.25%
4位 岩手県陸前高田市 +7.14%
5位 青森県おいらせ町 +6.89%
地価公示法:都市計画法 (昭和43年法律第100号)第4条第2項 に規定する都市計画区域、その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして、国土交通省令で定める区域(「公示区域」:国土利用計画法(昭和49年法律第92号)第12条第 1項の規定により指定された規制区域を除く。)において実施することとされている(地価公示法(昭和44年法律第49号)第2条第1項)。