TAX ライブラリー(2016.03)
2016年公示価格(国土交通省発表)
−8年ぶりにプラスへ!−
□ この度、国土交通省より2016年1月1日時点の公示価格が発表されました(2016年3月22日)。
公示価格は、基準地価(都道府県)や路線価(国税庁)とともに土地取引の目安となるもので、全国2万5,200地点(内、避難指示区域内の15地点では調査を休止)の1平方メートルあたりの価格を示しています。住宅地や商業地、工業地などの区分があり、各地の不動産鑑定士が土地を更地の状態とみなして評価し、国土交通省の土地鑑定委員会が価格を判定します。
□ 公示地価は、2008年以来、8年ぶりにプラスになりました。都市部を中心に商業地が上昇しています。これは、訪日外国人の急増を受けて、ホテル・店舗への投資や再開発、金融緩和マネーの流入があるとみられています。
この傾向は地方圏にも広がりを見せていますが、観光地や再開発予定がなく、人口減少のスピードが速い地域では下落傾向が続いています。
(1)全国平均(全用途)では、前年比で0.1%の上昇(住宅地 0.2%下落、商業地 0.9%上昇)となっており、前年(0.3%下落)の下落からプラスに転じています。
(2)三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、全用途 で1.1%の上昇(住宅地 0.5%上昇、商業地 2.9%上昇)となっており、前年(0.7%上昇)より上げ幅が拡大しています。
(3)地方圏では、全用途で 0.7%下落(住宅地 0.7%下落、商業地 0.5%下落)となっており、前年(1.2%下落)より下落率は縮小しています。
全 国 | 三大都市圏 | 地方圏 | |
---|---|---|---|
全用途 | 0.1% (▲ 0.3%) |
1.1% (0.7%) |
▲ 0.7% (▲ 1.2%) |
住宅地 | ▲ 0.2% (▲ 0.4%) |
0.5% (0.4%) |
▲ 0.7% (▲ 1.1%) |
商業地 | 0.9% (0.0%) |
2.9% (1.8%) |
▲ 0.5% (▲ 1.4%) |
東京圏 | 大阪圏 | 名古屋圏 | |
---|---|---|---|
全用途 | 1.1% (0.9%) |
0.8% (0.3%) |
1.3% (0.9%) |
住宅地 | 0.6% (0.5%) |
0.1% (0.0%) |
0.8% (0.8%) |
商業地 | 2.7% (2.0%) |
3.3% (1.5%) |
2.7% (1.4%) |
□ 地価が最も高い地点は、10年連続で中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店)で公示地価の最高を更新しました。次いで、中央区銀座5-3-1(銀座ソニービル)となっています。
<全国都道府県地価ランキング>
順位 都道府県 1平方mあたり 坪単価 前年比
1位 東京都 89.4万円 /m2 295.6万円 /坪単価 +2.08%
2位 大阪府 24.2万円 /m2 79.9万円 /坪単価 +1.62%
3位 神奈川 23.5万円 /m2 77.6万円 /坪単価 -0.66%
4位 京都府 19.4万円 /m2 64.2万円 /坪単価 +2.18%
5位 愛知県 15.9万円 /m2 52.5万円 /坪単価 +3.20%
* 日本全国地価平均 63.0万円 /坪単価
<全国坪単価ランキング(平均)>
1位 東京都中央区 2088.4万円 /坪
2位 東京都千代田区 1823.2万円 /坪
3位 東京都港区 1006.0万円 /坪
4位 東京都渋谷区 971.6万円 /坪
5位 東京都新宿区 861.0万円 /坪
※地価公示法:都市計画法 (昭和43年法律第100号)第4条第2項 に規定する都市計画区域、その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして、国土交通省令で定める区域(「公示区域」:国土利用計画法(昭和49年法律第92号)第12条第 1項の規定により指定された規制区域を除く。)において実施することとされている(地価公示法(昭和44年法律第49号)第2条第1項)。