TAX ライブラリー(2017.04)

会社標本調査(平成27年度分) 国税庁

−赤字法人割合 6年連続減少!−

□ この度、「会社標本調査(平成27年度分)」が発表されました(国税庁長官官房企画課、2017年3月30日)。調査結果の概要は、次のとおりです。

□ 法人数は264万1,848社で、前年度より1.0%増と3年連続で増加しています。この内、連結親法人は1,584社で同6.1%増、連結子法人は1万1,412社で同6.5%増となっています。連結子法人を除いた263万436社の内、赤字法人は169万859社で、赤字法人割合は前年度比2.1%減の64.3%となっており、6年連続で減少しています。

<資本金階級別法人数>
  1,000万円
以下
1,000万円超
1億円以下
1億円超
10億円以下
10億円超 合 計 伸び率
平成27年度分 2,262,380 356,019 17,233 6,216 2,641,848 1.0%
平成26年度分 2,235,844 356,743 17,815 6,083 2,616,485 0.8%
平成25年度分 2,213,762 357,797 18,224 6,120 2,595,903 2.4%
<内 連結親法人>
  1,000万円
以下
1,000万円超
1億円以下
1億円超
10億円以下
10億円超 合 計 伸び率
平成27年度分 280 589 162 553 1,584 6.1%
平成26年度分 263 546 164 520 1,493 7.3%
平成25年度分 241 516 145 490 1,392 12.0%
<内 連結子法人>
  1,000万円
以下
1,000万円超
1億円以下
1億円超
10億円以下
10億円超 合 計 伸び率
平成27年度分 3,659 5,399 1,783 571 11,412 6.5%
平成26年度分 3,406 5,027 1,724 554 10,711 5.3%
平成25年度分 3,133 4,764 1,728 446 10,171 9.5%

□ 営業収入金額   1,449兆5,528億円(前年比:-5.8%)となっており4年ぶりの減少です。黒字法人の営業収入金額は1,118兆9,192億円(前年比:-4.5%)で、6年ぶりに減少していますが、所得金額は57兆2,354億円(前年比:6.1%)で、過去最大となり、6年連続の増加となっています。赤字法人割合は高水準であったものの、景気回復を図っている企業との二極化が進んでいます。

□ 黒字法人の益金処分総額   75兆9,187億円(前年比:5.4%)となっています。その内訳は、支払配当が21兆9,459億円(構成比:28.9%、前年比:30.2%)、法人税額が10兆9,994億円(構成比:14.5%、前年比:-3.9%)、その他の社外流出が8兆3,315億円(構成比:11.0%、前年比:14.6%)で、これらを引いた社内留保が34兆6,419億円(構成比:45.6%、前年比:7.1%)となっています。

□ 交際費   3兆4,838億円(前年比:7.2%)と4年連続で増加していますが、過去最高だった平成4年分の6兆2,078億円に比べ半減しています。この内、損金不算入額は9,065億円(前年比:1.6%)となり、損金不算入割合は26.0%(前年比:-1.4%)と、昨年(27.4%)に引き続き低水準となっています。原因は、平成26年、全法人を対象に、交際費等における接待飲食費の50%を損金算入できる措置が創設されたためです。
 営業収入10万円当たりの交際費等支出額は、全体では前年度より29円多い240円です。資本階級別にみると、資本金1,000万円以下の階級が586円と高い一方、資本金10億円以上では100円と低くなっています。また、業種別にみると、建設業が569円と高い一方、鉱業が168円と低くなっています。

□ 繰越欠損金   当期控除額は8兆2,050億円で、翌期繰越額(年度末の繰越欠損金残高)は65兆3,731億円(前年比:2.2%)となっており、7年ぶりに増加しているものの、平成8年度以来(バブル崩壊直後)、低水準が続いています。一事業年度当たり当期控除額は全体で903万円であり、一事業年度当たり翌期繰越額は全体では3,900万円となっています。これを業種別にみると、金融保険業が2億664万円と突出して多くなっています。