TAX ライブラリー(2018.06)

e-Tax義務化(大法人)

−「電子情報処理組織による申告の特例」創設−

□ 2018(平成30)年度の税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、対象法人が行う法人税、・地方法人税、及び、消費税・地方消費税の申告は、e-Tax(電子情報処理組織)により提出する必要があります。これを「e-Tax義務化(:「電子申告の義務化」)と言います。

□ e-Tax義務化の概要は次の通りです。

1.対象法人の範囲
 ・ 内国法人のうち、事業年度開始の時において資本金の額等が1億円を超える法人
 ・ 相互会社、投資法人及び特定目的会社
 なお、消費税及び地方消費税の場合は上記法人に加え国・地方公共団体も対象となります。

2.対象税目
 ・ 法人税、及び、地方法人税、並びに、消費税、及び、地方諸費税

3.対象手続
 ・ 確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書、及び、還付申告書

4.対象書類
 ・申告書及び申告書に添付すべきものとされている書類の全て

5.適用開始届出
 ・ e-Tax義務化の対象となる法人は、次の期間に納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書(「電子申告義務化適用届出書(仮)」)を提出しなければなりません。
(1) 2020(平成32)年3月31日以前に設立された法人で2020(平成32)年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合は、当該事業年度(課税期間)開始の日から1ヶ月以内
(2) 2020(平成32)年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
 @ 増資により義務化対象法人となる場合は、資本金の額等が1億円超となった日から1ヶ月以内
 A 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合は、設立の日から2ヶ月以内
(3) 2020(平成32)年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合は、課税事業者となる課税期間開始の日から1ヶ月以内

6.適用日
 ・2020(平成32)年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から

□ e-Tax義務化に伴い、利便性の向上に向けた環境整備を実施していくこととなっています。主な環境整備項目は次の通りです。
 ・ 提出情報等のスリム化
 ・ データ形式の柔軟化
 ・ 提出方法の拡充
 ・ 提出先の一元化
 ・ 認証手続の簡便化