TAX ライブラリー(2018.07)
2018年度 路線価−相続税・贈与税の算定基準−発表(国税庁)
−全国平均3年連続の上昇!−
□ この度、国税庁より2018年分の路線価が発表されました(2018年7月2日)。
路線価は、全国の民有地の時価を算定するための基準で、その土地の1平方メートルあたりの価格を示しています(1月1日時点)。これは、相続税や贈与税の算定基準となります。
□ 全国約33.1万地点の標準宅地の平均路線価
前年比0.7%の上昇で、3年連続のプラスとなりました。前年を上回ったのは18都府県で、前年の13都道府県から増加しました。
□ 三大都市圏
東京都で4.0%の上昇(前年3.2%上昇)、大阪府で1.4%の上昇(前年1.2%上昇)となり、いずれも5年連続で上昇しております。また、愛知県でも1.5%の上昇(前年1.2%上昇)となり、6年連続の上昇です。
□ 全国の都道府県庁所在地の最高路線価
上昇した都市が33都市、横ばいが13都市、下落は1都市だけとなっております。
□ 全国の最高値
全国1位は東京都銀座5丁目の銀座中央通りの鳩居堂前で、4,432万円/u (前年比9.9%上昇)です。これは33年連続です。バブル期のピーク3,650万円を大幅に上回り、2年連続で過去最高値を更新しました。
個別地点で上昇率全国1位は、北海道ニセコ地区の「道道ニセコ高原比羅夫線通り」で同88%の上昇。スキーリゾートとして世界的に人気が高まり、外国人などが高額なコンドミニアムを買うケースが目立っています。全国2位の上昇率は、京都市東山区の祇園四条駅周辺で同25.9%の上昇です。国内外からの観光客でにぎわい、商業施設の賃料などが高騰しています。
全 国 | 東京都 | 大阪府 | 愛知県 | |
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2018(平成30)年 | 0.7% | 4.0% | 1.4% | 1.5% |
2017(平成29)年 | 0.4% | 3.2% | 1.2% | 1.2% |
□ 地価上昇傾向は東京五輪が開催される2020年前後にピークを迎え、そこからは下り坂になるとの見方があります。しかし、五輪は東京都心部に限定されたイベントに過ぎず、他のエリアは然程の影響はないとも考えられています。特に、東京都心部(山手線新駅、渋谷駅、虎ノ門地区など)では、五輪後に大規模な再開発が計画されていることから、東京の地価が一時的に弱含みになったとしても、地価上昇が止まるとは限らないとも言えます。
なお、日銀による大規模な金融緩和策が今後も続くとみられており、日銀が国債を大量に買うことで超低金利が維持され、土地やマンションを購入しやすい状況が続く限り、地価の上昇基調も続くとの見方が多いと言えます。