TAX ライブラリー(2018.12)

所有者不明土地の円滑化特別措置法

−本年11月15日より施行!−

□ 今年の通常国会で成立した所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行期日を定める政令が本年11月6日に閣議決定されました。

□ 背景
 本法は、人口減少及び高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下などによる土地の所有意識の希薄化等で、不動産登記簿等の公簿情報等により調査しても、所有者が判明しない、又は、判明しても連絡がつかない所有者不明土地が増加しており、公共事業の推進等の様々な場面において円滑な事業実施に支障が生じていることを踏まえ、所有者不明土地の利用の円滑化を図るため2018(平成30)年6月6日に国会で成立したものです。

□ 施行期日
 @土地の所有者探索のために必要な公的情報を行政機関が利用できる制度、A長期間、相続登記等がされていない土地を登記官が長期相続登記等未了土地である旨等を登記簿に記録すること等ができる制度、B所有者不明土地の適切な管理のために特に必要がある場合に地方公共団体の長等が家庭裁判所に対し財産管理人の選任等を請求可能にする制度の施行日は本年11月15日となっています。
 Cなお、国、都道府県知事が事業認定した事業について、収用委員会に代わり都道府県知事が裁定できるなどの所有者不明土地を円滑に利用するための制度については、来年6月1日から施行されます。

□ 2018(平成30)年度の税制改正において、個人が、同法の施行日から2021年3月31日までに、市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を図る必要があるものとして、法務大臣が指定する土地について相続による所有権の移転登記を受ける場合において、当該移転登記の時におけるその土地の価額が10万円以下であるときは、その移転登記に対する登録免許税を免税とする措置が講じられます。

※参考資料:国土交通省「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行について」