TAX ライブラリー(2022.05)

2021(令和3)年 個人企業経済調査

−2020年の1個人企業当たりの年間売上高は1,280.6万円−

□ この度、総務省より「2021(令和3)年 個人企業経済調査」の結果が公表されました。
 概要は次の通りです。

1.営業状況
@ 調査対象産業計
 2020(令和2)年の1個人企業当たりの年間売上高は 1,280万6千円で前年比 4.5%減少となっており、年間営業利益は 222万3千円で前年比 3.1%増加、年間営業利益率は 17.4%となっています。

A 産業別の年間売上高
 産業大分類別の1個人企業当たりの年間売上高では、「卸売業,小売業」が最も多く 2,377万6千円、次いで「建設業」が 1,469万4千円、「製造業」が 1,067万円、「その他のサービス業」が 994万6千円、「宿泊業,飲食サービス業」が 949万8千円、「生活関連サービス業,娯楽業」が 461万8千円となっています。

B 産業別の年間営業利益
 産業大分類別の1個人企業当たりの年間営業利益では、「その他のサービス業」が最も多く 325万9千円、次いで「建設業」が 316万6千円、「製造業」が241万円、「卸売業,小売業」が 192万9千円、「生活関連サービス業,娯楽業」が 138万6千円、「宿泊業,飲食サービス業」が 107万2千円となっています。

C 産業別の年間営業利益率
 産業大分類別の1個人企業当たりの年間営業利益率では、「その他のサービス業」が最も高く 32.8%、次いで「生活関連サービス業,娯楽業」が 30.0%、「製造業」が 22.6%、「建設業」が 21.5%、「宿泊業,飲食サービス業」が 11.3%、「卸売業,小売業」が 8.1%となっています。
 1個人企業当たりの年間売上高が最も多い「卸売業,小売業」の年間営業利益率は 8.1%と最も低くなっています。

※ 営業利益:売上高-(期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高)-営業費
※ 営業利益率:売上高に対する営業利益の割合

2.事業主の年齢の状況
 事業主の年齢階級別に企業の割合をみると、事業主の年齢が「70歳以上」の企業が 45.9%と最も多く全体の半数に迫っています。次いで「60~69歳」が 25.9%、「50~59歳」が 16.2%、「50歳未満」が 11.7%となっています。なお、70歳以上の割合は、前年比 3.1ポイント増加となっています。
 事業主の年齢が70歳以上の企業を産業大分類別でみると、「卸売業、小売業」が最も高く 51.1%、次いで「製造業」が 50.8%、「生活関連サービス業,娯楽業」が45.0%、「その他のサービス業」が44.1%、「宿泊業,飲食サービス業」が42.1%、「建設業」が39.5%となっています。

3.後継者の状況
 後継者の有無別に企業の割合をみると、後継者がいない企業の割合は80.5%で前年比 0.8ポイント増加となっています。
 後継者がいない企業を産業大分類別でみると、「生活関連サービス業,娯楽業」が最も多く 83.1%、次いで「宿泊業,飲食サービス業」が 83.1%、「卸売業,小売業」が81.9%、「製造業」が 81.1%、「建設業」が 80.1%、「その他のサービス業」が 74.0%となっています。

4.パーソナルコンピュータの使用状況
 パーソナルコンピュータの仕様の有無別に企業の割合をみると、事業で使用している企業の割合は44.0%で前年比 0.1ポイント減少となっています。
 パーソナルコンピュータの仕様の有無を産業大分類別でみると、「その他のサービス業」が最も高く 61.0%、次いで「卸売業,小売業」が 47.2%、「建設業」が46.1%、「製造業」が40.1%、「宿泊業,飲食サービス業」が 30.3%、「生活関連サービス業,娯楽業」が24.6%となっています。