各士業の業務内容

法律事務所(弁護士)の仕事と報酬

弁護士とは

◆ 弁護士の使命は、「@基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。A弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力(弁護士法 第1条)」することです。

◆ 宗教、文化、慣習の異なる人々が共存共栄するボーダーレス社会において、多文化多民族社会の紛争解決手段は、「法律」に委ねられます。法律一般を扱うのが弁護士の仕事です。

弁護士の業務

◆ 訴訟事件ばかりでなく、トラブルを予防するため、事実関係や法令・判例を調査したり、契約書を作成したり、あるいは何か新しい事業を始める時も法的に適正に遂行するためのプランニングをするといった仕事もしています。紛争が生じてしまった場合でも、裁判以外の紛争解決手続も多くありますから、事案ごとに最も適切な手続を選択することになります。

1.民事事件   私人(民間人)と私人との関係で争いが生じた場合、また、争いにならないように、次のような業務をおこなっています。
<契約書、協議書、遺言書などの作成>  売買契約書、請負契約書、賃貸借契約書、和解協議書、遺言書等
<近隣関係>  日照権や騒音間題、土地の境界をめぐる争い
<事故の解決>  交通事故、海上事故、子どもの事故、職場での労働災害、医療過誤等
<職場関係>  残業代金不払、解雇などの労働事件、セクシャルハラスメント等
<不動産関係>  不動産の取引、借地借家関係、建築、境界確定等
<消費者間題>  サラ金、クレジット、欠陥商品、先物取引等
<倒産処理など>  任意整理、破産申立、会社更正、民事再生等
<家事事件>  離婚、親権者変更、離縁、遺産分割、遺留分減殺等

2.刑事事件   警察、検察等の公的機関と私人(民間人)との関係、例えば、交通事故、取引上のトラブル、窃盗事件等、逮捕され、取調べを受ける場合、弁護士は、弁護人として、逮捕前後、起訴前後などの時期を問わず、面会、捜査機関との交渉、違法な捜査に対する法的な救済手続の実施などの活動により、被疑者本人の不利益を減らし、冤罪を防ぐための弁護活動をします。反対に、告訴、告発の手続もします。

3.その他
(1)少年事件  少年(20歳未満)の犯罪や非行は、すべて家庭裁判所に送致され、多くは家庭裁判所での「審判」で処分が決定されます。弁護士は、家裁送致前は弁護人として、送致後は付添人として活動します。
(2)審査請求  行政官の処分について簡易な方法で、不当を主張するものが、上級の長に審査を要求するもので(3)行政庁に対する不服申し立て 行政庁の行った不当な処分などに対して救済を求める申立てをすることです。
(4)知的財産権  特許、実用新案、意匠または商標に関し特許庁に対して行うべき事項およびこれらについて異議申し立てや、裁判に関し経済産業大臣に対してなすべき事項の代理、これらに関する鑑定等の業務を行います。
(5)税務関係  納税義務者の所得税、法人税、相続税などの申告、申請、不服申し立て、過誤納税金の還付請求やこれらの代理ならびに税務官公署に提出する書類を作成します。

費 用

◆ 弁護士費用は、依頼者と弁護士との話し合いで決められます。多くの法律事務所では、個別に作成した報酬基準を設けています。依頼する段階で、どこまでの業務範囲を委任し、その報酬がいくらなのか、当該事件から派生する可能性のある問題が有るか否か、有るとしたら一体、いくらかかるのか、予め聞いておく必要があります。相談内容が専門的で個別性が高い場合が多く、きちんとした説明を受ける必要があります。この点、明確な回答をしてくれない弁護士には、依頼すべきではありません。信頼関係がしっかりしていなければ、紛争解決は困難です。

◆ これまで、弁護士報酬については、日弁連並びに各弁護士会において弁護士報酬の基準規定が定められており、これを標準として各弁護士の報酬が定められていました。しかし、平成16年4月1日からは、それまでの報酬基準が廃止され、各弁護士と依頼者との間で自由に定められることになりました。これに伴い、弁護士(弁護士法人を含む)は、報酬について以下のような取扱いをすることになっています。依頼の際は、必ずご確認下さい。

@ 適切かつ妥当な報酬  弁護士の報酬は、まず依頼者の受けるべき経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らし適切かつ妥当なものでなくてはなりません。
A 報酬に関する説明義務  弁護士は、仕事の依頼を受けるにあたり、報酬やその他の費用について説明義務があります。
B 委任契約書の作成義務  弁護士は、仕事の依頼を受けたときには、特に簡易な書面の作成や法律相談等に止まる場合を除き、弁護士報酬を含めた委任契約書を作成しなければならないことになっています。そして、その契約書には、弁護士が受け取るべき報酬の種類、金額、算定方法、支払方法等が記載されなければなりません。
C 報酬基準  弁護士は、報酬の種類、金額、算定方法、支払時期その他報酬を算定するために必要な事項を明示する報酬基準を作成し、事務所に備え置かなければなりません。

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